江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。北斎はたちまち夢中になる。そして、続きが気になり、度々訪れては馬琴の創作の刺激となる下絵を描いた。北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける──。失明してもなお28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとはー。